NPO法人ARDA
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いきいき埼玉!プレ&シニア向けアートコミュニケーション講座第1回

対話で美術鑑賞 2019年11月05日

今年度ARDAはシニア向けのアートでコミュニケーションの場を作るための1年間の講座を実施しています。主催は「彩の国いきがい大学」。どこか懐かしさを感じる名前です。それもそのはず、埼玉県が60歳以上の人を対象にこの大学を開設したのは1976年。40年以上の歴史があり、県内6箇所でシニア向けの講座が実施されています。

今年からセカンドライフを見据える現役世代にも対象を広げ、55歳から参加できる「プラチナコース」を開講、ARDA は「アートではじめる社会貢献」の講座を担当します。

受講生は、複数人で作品をよくみて、考えたことや感じたことを話し・聞き、アートを楽しみ交流する場を作るコミュニケータになるための練習と実践を重ねていきます。知識の習得ではなく、講座終了後に地域と関わる活動につなげ、アクティブシニアに、趣味の充実から地域貢献という新たな領域に活動の場を広げてもらうことを目指します。

第1回目は、まず対話で美術鑑賞を体験しました。複数の人で1つの作品を見ながら感じたことを自由に話します。進行役は発言の重要なポイントを確認したり、複数の意見を整理したりはしますが、見方を教えたり、作品名や技法などの解説はしません。

同じ作品を見ても自分と全く違う見方をしている人、自分が全く見ていない部分に注目する人。「何だか気分が落ち込む作品だと思って観ていたけど、ある人がストレートに「気持ち悪い」って言っていて、それもOKなんだと思った」と、どんな発言も否定されることがない鑑賞の場に驚いた人もいたようです。こうした対話で美術鑑賞を通じて思考力やコミュニケーション力が育まれるとされ、美術館や教育現場のほか、企業でも実践されています。

さらに、心理学の専門家による「確認型応答」のレクチャーを経て、人の話をよくきくこととはどういうことか、本当に言いたいことを聞くためにどうすればいいかを学びました。数日を通してコミュニケーションの基本と、丁寧に対話を通した鑑賞で起こっていることを見ていきました。

次回は、実戦に向けた練習です!(山本)