NPO法人ARDA
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子どもたちが自由に話し表現する機会をつくるアート鑑賞(オンライン)

対話で美術鑑賞 2021年07月27日

アメリカVTSの実習コースを修了しARDAに加わりました、サナです。

『世界のミュージアムツアー』の2回目として開催された『親子ではじめるアート鑑賞』の「プラド美術館(スペイン)」をレポートします。

国内、海外を含め計7家族のみなさんに参加していただきました。

鑑賞はクイズからスタートし、みんなの笑顔で始まりました!進行役からの問いに子どもたちの反応は様々でした。

「一番上にいる人。多分、雲にいるし神様だろうな」と、初めの発言は作品の上部に描かれたもの。「人がいっぱいいて騒がしい感じ。神様が街の様子を観察してると思う」そして、「観察している」と感じた理由として、「ひとりでいて、上から眺めてるし、水色の人が上を見ていて神様の存在に気づいている!」と作品を見直し思い出しながらしっかりと説明してくれました。

「みんながチーズを奪いたがっている!、、、上の黒いものがとても大切なものだからかな?」今度は中央の様子を伝えてくれました。他のグループでも同様に「チーズ」など食べ物の話になり、「美味しいものを作るのかな」「取り合いになり争っているのかな」と色々な考えが巡っていました。

時折、進行役から「なんでもいいんだよ」と声がけがあり、そのことばに安心した様子で徐々に発言が増えていきました。

「日本とは思えないけど、日本の国旗のようなものが見える」と新しい気づきがあり、「外国に見えるのはどうしてかな」?との問いに、「向こうが氷に見えるから」と背景を観てそう感じていたことを話してくれました。異なる視点をみんなで共有し、さらに作品の世界観が広がったようです。

「右下に魚の足の人がいる」という発言で、次はみんなの視線が作品の右側へ移動しました。

「貧しい感じがする、魚が服の代わりになってるみたい」

「左は服がより普通だけど、左より右の人たちの方が気持ち悪く黒くて悪いものを感じる」

自由な雰囲気に感じていたことを次々と発言していました。

初めは緊張気味だった子どもたちも、新しい作品が出てくるたびにしっかりと観て、話して、聴くことに集中しながら対話を繰り返しました。自分がどうしてそう思ったのかを振り返る間、沈黙が続くこともありましたが、不安な様子は見られませんでした。それは、みんなが話を聴こうとする姿勢が画面越しにでも感じることができたからかもしれません。または自然な問いかけと答えを受け止める進行役の会話のキャッチボールに安心感があったからかもしれません。アート作品を鑑賞しながら新しい発想が生まれる瞬間を共有することができた貴重な機会でした!

次回の『世界のミュージアムツアー』は2021年8月1日(日)オランダのファン・ゴッホ美術館からの作品です。
そのあと、おやすみを挟んで10〜12月も欧州各地の美術館へ旅をします!

どんな発想が生まれるかとても楽しみです!(サナ)