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大和市「対話による美術鑑賞」やまとアートシャベルコミュニケータ募集

対話で美術鑑賞 2012年04月01日

神奈川県大和市の美術鑑賞授業では、年間約2000人の子どもたちとアート作品をみて考え、話して、聴くことを通して、観察力や思考力、コミュニケーション能力を育んでいます。
「シャベラーさん」と呼ばれる鑑賞コミュニケーターが対話型美術鑑賞の手法を用いて、子どもたちに対話を促し、アート作品を鑑賞します。 授業の中では、まずは作品をじっくり見て、作品の中でなにが起こっているか考え、考えたことを言葉にしてみて、お友達の意見を聴いてさらに考えを深めていきます。こうした思考の循環のプロセスを辿っていくと、美術の知識がなくても、作品の本質に近づいていくような体験をすることができます。 また、対話を介した美術鑑賞は、批判的思考力、コミュニケーション力、観察力などの向上にも役立つとされています。
シャベラーさんは定期的に新しいメンバーを募集し、研修を受けて、仲間たちと地域で楽しく活動しています。

大和市「やまとアートシャベル」とそのコミュニティ

大和市には美術館がありません。子どもの学びには心を開く情操教育が大事であり、そのためには本物の美術体験をさせたいという一人の校長先生の希望と行動力から始まりました。
プロジェクト名である「アートシャベル」には、「アートについておしゃべり」すること、この作品は一体何を意味するのかと考え、「アート作品の意味を掘り出していくシャベル」という、2つの意味が込められています。そして、鑑賞ファシリテーターは「シャベラ−」という愛称で親しまれています。2011年からほぼ毎年募集をし、研修を受けたシャベラ−は現在8期となり、総勢56名が登録しています(2021年9月末現在)。

「どちらかというと子どもと話すのは苦手と感じていたので不安な気もちがあった。でも続けていくうちに、子どもたちの言葉を聞き、一緒に悩んだりサポートするのが楽しくなり、教室に入る瞬間『今日はどんな子たちとどんな話しができるかな?』とワクワクするようになりました。自分自身が家庭で子供達と接してきた経験を、この活動に行かせているのかも?と肯定的に考えられるようになってきたことも嬉しい変化です。」シャベラ−Iさん

2014年から大和市内の公立小学校19校すべての1学年に、1クラスずつ2コマの対話による鑑賞授業を行ってきました。希望する学校は近郊の美術館(川崎市岡本太郎美術館や町田市国際版画美術館など)を訪問し、本物の作品の前で対話で作品鑑賞をしています。毎年大和市では3,000人近い子ども達が学校で2時間のシャベラ−の授業をうけ、1,000人の子どもは美術館体験をしています(2016-2018年の平均)。