2025年4月対話鑑賞ファシリテーター講座・ベーシック
*2025年4月より「対話型鑑賞ファシリテーター養成講座」から「対話鑑賞ファシリテーター講座」へ名称を変更します。新たに「トレーニングコース」と「アドバンスコース」を開設しました。
ARDAは東京都美術館、平塚市美術館、佐倉市立美術館、滋賀県立美術館、鳥取県美術館といった美術館の鑑賞ファシリテーターの講座講師を務めるほか、神奈川県大和市や東京都西東京市の教育委員会との「対話による美術鑑賞授業」を協働してきました。累計1,110人の鑑賞ファシリテーターを育成し、アーツダイアローグを体験した人は130,264人になります(2023年度4月時点)。
2013年から開講している「対話鑑賞ファシリテーター養成講座」(ベーシックコース相当)をこれまで423名が修了し(2025年2月現在)、社会の様々なところで活躍しています。
また本講座の卒業生は、美術館学芸員や美術館ボランティアだけでなく、大学や専門学校教員、小中学校、高等学校教員、エグゼクティブや人材育成担当者のほか、企業研修や医療教育、介護福祉関係の方々などその領域は多岐にわたっています。
現代社会において背景や意見の異なる他者同士の協働が、これまで以上に必要とされています。中でも、先入観にとらわれず人の意見を「聴く力」はビジネスをはじめ、あらゆる状況において重要だと認識されています。また、アートという答えのない問いをテーマに思考することで、クリエイティブに発想する力や、自分なりの意見をもちながら簡単に答えを出さずに考え続ける力も養われます。
◎ARDAの講座の5つの特徴
1)《ベーシックコース》3日間の対面講座で体験・理論・実践を往還。
集中的に対話鑑賞のファシリテーションを学ぶ
ファシリテーションは身体性を伴うので、リアルで体験し、実践することで身につけることができます。理論を学び、ファシリテーションを実践し、講師による講評を3回受けることで、一気にファシリテーション力を身につけていきます。講座のなかでは即興的に生まれる対話で起こるリアルな事象を丁寧に取り上げ、理論を土台にしながら、一人一人がファシリテーターとしての在り方を探求してゆきます。オンライン講座と、充実したテキスト付。
*2025年3月までの「対話型鑑賞ファシリテーター養成講座ベーシック」と同等の内容です。
2)会員制ウェブサイト「アーツ×ダイアローグ」を使って、すぐに実践できる!
VTSでは鑑賞する作品を選ぶのがもっとも難しいと言われています。《ベーシックコース》を受講したあとは、対話を生成しやすい作品が集められたサイト「アーツ×ダイアローグWeb」の使用権が得られます。古今東西のアート作品から、厳選された作品が120点以上掲載されており、そのまますぐに使用することができます。対象やテーマにあわせた対話鑑賞をはじめることができます。(Web使用権は2年間有効。その後は2年ごとに更新・会費が必要になります)
3)ともに学ぶコミュニティがある!学び続けるフォローアップ環境が充実
《ベーシックコース》で基本を学んだ後、経験を重ねることでファシリテータとしての技術を自分のものにし、高めてゆくことができます。そのための受講生同士の勉強会を支援しています。毎月の勉強会では、期をまたいで受講生同士の経験を交換し、ファシリテーションスキルの向上だけでなく、実践の場づくりの情報交換の場にもなっています。
受講生の活動をARDA公式ウェブサイトで紹介するなど、活動をバックアップしています。
4)ファシリテーション力を確かなものに。修了証が発行される《トレーニングコース》
アメリカのVTSでは年間10-15回の実践を3年間積まなければ、VTSファシリテータの「実践者」としての試験を受けることができません。つまり、ファシリテーションを身につけるには、それだけ経験と理解が必要な高度な技術なのです。《トレーニングコース》ではコーチングで学びを深化させ、ファシリテーションの応用力に繋げていきます。音楽や映像といったメディアでのファシリテーションも歓迎!《トレーニングコース》を終えた方には修了証が発行されます。
5)《アドバンスコース》様々な現場のためのプログラムデザインを学び、ARDAコーチと一緒に現場をつくる
[基礎編]までは対話鑑賞ファシリテーションを集中的に学んでいきます。【アドバンスコース】では、対象にむけてどの作品を選ぶのか、そしてどう対話鑑賞に誘い、どのような体験をさせるのかプログラムデザインを学びます。対象や文脈によって、対話鑑賞の意義やアウトカムは変わってきます。一般向けギャラリーツアーや高齢者施設でのレクリエーションなど様々な対象にむけて、プログラムをデザインし、実際の現場をARDAのコーディネーター達とつくっていきます。
これまでの修了生は、大学教員や専門学校教員、学芸員、美術館ボランティア、研究者、音楽ホール、企業人(人事部、企画部など)、企業研修講師、アート教室運営者、デザイナー、ダンサー、演奏者など様々なバックグランドの方々がいます。さらに活動を広げ、活躍されています。
>>講座受講生の活躍
【対話鑑賞ファシリテータ養成講座 べーシックコース】
全3日間の対面講座とオンライン講座で学んだあと、作品サイト「アーツ×ダイアローグ(website)」の使用権が付与されます。
ファシリテーションは身体的な動きと連動しているため、対面で実践しながら学ぶことが重要です。全3日間の対面の講座はワークショップ形式で「理論→実践→省察」のサイクルで集中的に学びます。単なる「おしゃべり」ではなく、「鑑賞」に至るファシリテーションを目指し、作品研究の方法をしっかり学びます。レクチャー部分はオンラインで視聴し効率的に学びます。
対 象:対話鑑賞をすでに実践している方から対話鑑賞ファシリテータになりたい方、教えることやコーチング、ファシリテーションを仕事にしている方など。受講時点でアートに関する知識は不要です。
内 容:
・対話鑑賞の体験、観察
・対話鑑賞の3種の質問と7つのポイント
・対話鑑賞の準備-作品研究
・対話鑑賞の実演(3回の講評)
・人はどのように作品をみるのか?美的発達段階
・対話鑑賞の教育効果
・作品選びの基本
・会員制サイト「アーツ×ダイアローグ」ウェブサイトのアクセス権と使い方
・対話鑑賞に関する著作権について
日 程:29期 4月12日(土)、13日(日)10:00-18:30、5月10日(土)10:00-19:00 *すべて対面
定 員:18名程度 (最低催行人数12名)
会 場:新宿NPO協働推進センター(高田馬場駅より徒歩12分)。オンライン開催の場合はzoomを使用します。
受講料:一般68,200円、学生*49,500円、法人 95,700円(すべて税込)
*高等学校、専門学校、大学、大学院などの教育機関に通学し、その機関より発行された有効期間内の学生証を提示できる場合でかつ2025年時点で25歳以下の方を対象とします。
*法人価格:法人や団体、行政からお支払いの場合は法人・団体価格になります。組織における教育受講(スキルアップ等)の一環としてご受講の場合、お一人でご参加しても法人価格になります。
【お申込みフォーム】《ベーシックコース》 お申込みフォーム |
【講師】
三ツ木紀英(みつきのりえ/アートエデュケーター・アートプランナー・ARDA代表理事)
英国留学後、フリーランスや NPOの立場で、美術施設だけでなく街や施設の中で展覧会企画・ワークショップのコーディネーションを行う。ニューヨーク近代美術館の元教育部長フィリップ・ヤノウィンより、一年にわたりVisual Thinking Strategies を学ぶ。近年は美術鑑賞のファシリテーター育成し、ファシリテータたちのコミュニティを広げることで、アートを介したコミュニケーションの機会の創出している。2021年東京大学大学院 学際情報学府にて、アート・コミュニティのコミュニケーション研究で修士号取得。
●主な仕事:大和市(2011年〜)・西東京市(2013年〜)「対話による美術鑑賞事業」プロジェクト・エデュケーター、東京都美術館とびらープロジェクト鑑賞実践講座講師(2012年~) 、佐倉市立美術館(2013年〜)と平塚市美術館(2014年〜)のプロジェクト企画協力と講師をつとめる。その他、全国各地の美術館(滋賀県立美術館、鳥取県立美術館など)や教育機関にて講師。上野学園大学非常勤講師(2017年〜2023年)
●執筆:共著「現代アートの本当の楽しみ方-表現の可能性を見つけにいこう-」(フィルムアート社/2015年)、共著「現代アートの本当の見方-見ることが武器になる-」(フィルムアート社/2014年)、「岡本太郎とアール・ブリュット」展カタログ「今日(こんにち)のワークショップ-自分の中に全体性を取り戻す-」(川崎市立岡本太郎美術館/2013年)等
>>一般向け講座(教員・社会人)の活動報告一覧
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