対話型鑑賞ファシリテーター養成講座
2013年から開講している「対話型鑑賞ファシリテーター養成講座」は、これまで400名以上が卒業し、社会の様々なところで対話型鑑賞ファシリテーターとして活躍しています。
《ベーシックコース》では対話型鑑賞の基本をすべて学びます。その後、より学びを深める《実践コース》を用意しています。
◎ARDAの講座の5つの特徴
1)3日間の集中的で実践的な【ベーシックコース】。体験・理論・実践の往還し、”理論”と”態度”を自分のものにする
ベーシックコース3日間で対話型鑑賞に必要なことを集中的に学んでいきます。参加者としてリアル対話型鑑賞を体験したうえで、背景にある理論を学びます。理論に基づき実践し、結果としてどのような影響を場に与えたかを省察します。これらを繰り返しながら、ファシリテーションの考え方と態度を身につけていきます。講義はオンライン講座で視聴し、対面では繰り返しファシリテーションを実践してゆきます。充実したテキスト付。
2)講座全体が対話型。本気で参加すればするほど学びが深くなる
講座のなかでは、即興的に生まれる対話で起こるリアルな事象を丁寧に取り上げ、理論を土台にしながら、一人一人がファシリテータとしての在り方を探求してゆきます。生きた事象を学びにしていくため、自分が感じたことを率直にその場に提供することが深い学びにつながります。講師と受講生、受講生同士の相互作用で学びが深化していきます。
3)作品ウェブサイト「アーツ×ダイアローグ(Website)」で作品プログラムの提供
ベースにしているVTSでは、鑑賞する作品と問いかけとコミュニケーションの方法論のすべてがデザインされています。それらが機能することで「対話」が生まれます。しかし、数多ある作品から、適切に選ぶのは最も難しい作業です。そこで、対話を生みやすい作品を会員サイトを提供しています。ベーシックコース受講後は、会員制のコミュニティサイト「アーツ×ダイアローグ」の厳選された作品を使って、さまざまな対象に実践することができます。(2年間は無料。その後は要会費)
4)終了後も、ともに”技術”を磨く学びのコミュニティがある!学び続けるフォローアップ環境が充実
ファシリテータとしての在り方と技術を自分のものにし、高めてゆくことは簡単ではありません。ベーシック講座で基本を学んだ後、経験を重ねることで学びが定着します。学び続けていくために、受講生同士の勉強会を支援しています。毎月の勉強会では、期をまたいで受講生同士の経験を交換し、更なるファシリテーションや実践の場づくりのスキルアップを目指すことができます。
5)実践や練習を重ねた後、【実践コース】でファシリテーションの質をあげ、自分のプログラムづくりに挑戦
ファシリテーションを身につけるには、アメリカのVTSではコーチングをうけながら少なくとも年間10-15回の実践を積んだ上で、3年目でやっとVTSファシリテーターとしての資格を得ることができます。つまり、それだけ難易度の高い技術が必要なのです。本講座の実践コースでは集中的にコーチングを受けることで、ファシリテーション力の向上を目指します。また、自身が対象としていく参加者にむけて、テーマを設定した作品カリキュラムを作り、対話のデザインができるようになることを学んでいきます。音楽や映像といった、アート以外のメディアでの対話にも挑戦していただけます。
参加者は、大学教員や専門学校教員、学芸員、美術館ボランティア、研究者、音楽ホール、企業人(人事部、企画部など)、企業研修講師、アート教室運営者、デザイナー、ダンサー、演奏者など様々なバックグランドの方々がいます。そして、受講後にはさらに活動を広げ、活躍されています。
>>講座受講生の活躍
現代社会において異なる他者同士の協働が、これまで以上に必要とされています。中でも、先入観にとらわれず人の意見を「聴く力」はビジネスをはじめ、あらゆる状況において重要だと認識されています。また、アートという答えのない問いをテーマに思考することで、自分なりの答えをもちながら、考え続ける力を養います。対話型鑑賞は美術館や学校だけでなく、企業研修や医療/看護教育として行われており、修了生とともに様々な可能性を探求しています。
【ベーシックコース】
全3日間対面講座+オンライン講座+作品サイト「アーツ×ダイアローグ(website)」がセットになっています。講座では対話型鑑賞の基本的な理論やスキルを「理論→実践→省察」のサイクルで集中的に学びます。単なる「おしゃべり」ではなく、「鑑賞」に至るファシリテーションを目指し、作品研究の方法をしっかり学びます。
ファシリテーションは身体的な動きと連動しているため、対面で実践しながら学ぶことが重要です。全3日間の対面の講座はワークショップ形式で実践を重ね、理論はオンライン講義を視聴し効率的に学びます。特に長時間に及ぶ対面講座は集中力を要します。体調を整え臨んでいただくと、多くのことが吸収できます。
対 象:対話型鑑賞をすでに実践している方からファシリテーターになりたい方、教えることやファシリテーションを仕事にしている方など。受講時点でアートに関する知識は不要です。
目 標:対話型鑑賞の基本的な理論を理解し、意図をもったファシリテーションができるようになるために、3種の質問と7つのポイントを身体化することを目指します。
日時(土日) | 対話型鑑賞を体験しながら、基本理論とファシリテーションを実践 | |
---|---|---|
1日目 | チェックイン:本講座の学びについて 体験と講義:対話型鑑賞とは?ファシリテーターの3種の質問と7つのポイント 実践:ミニ・ファシリテーション 実践:きく・応答するワークショップ |
|
〈課題〉4週間 オンライン講義3本視聴:「美的発達段階」「対話型鑑賞の学び」「作品選び」 | ||
2日目 | 体験:ファシリテーションの準備としての作品研究 実践:作品研究 実践:ミニ・ファシリテーション 実践:作品を選んでシークエンスを組む |
|
〈課題〉1週間 作品研究:ファシリテーションの準備として作品研究 | ||
3日目 | 体験:様々なファシリテータの対話型鑑賞を体験する 体験:ファシリテーションのコーチング 実践:コーチングファシリテーション チェックアウト:これからの学びについて |
|
〈課題〉オンライン講座2本「著作権講座」「サイトの使い方」を視聴。 その後、サイトに会員登録することができます。 |
ベーシックコース
日 程:すべて対面、全日 10:00-19:00 *全日対面実施
冬の講座:1月18日(土) 2月1日(土) 16日(日) 若干名募集中
春の講座:4月12日(土) 26日(土) 5月10日(土)
【実践コース】
ベーシックコースを修了した方が、さらにファシリテーションスキルを深め、各自の現場でよりよい実践のために必要なことを学ぶコースです。目的別に必要だと思うコースを受講できます。自己流になってしまった自身のファシリテーションに不安な方、自分の独自の対話型鑑賞のプログラムづくりをしたい方、企画力の向上を目指す方、音楽や映像といったメディアでプログラムを作りたい方など。
【講座概要】
定 員:ベーシックコース18名程度 実践コース16名程度 (どちらも最低催行人数12名)
会 場:新宿NPO協働推進センター(高田馬場駅より徒歩12分)。オンライン開催の場合はzoomを使用します。
ベーシックコース受講料:一般70,000円、学生*50,000円、法人 95,700円(税込)
*高等学校、専門学校、大学、大学院などの教育機関に通学し、その機関より発行された有効期間内の学生証を提示できる場合でかつ2023年時点で25歳以下の方を対象とします。
*法人価格:法人や団体、行政からお支払いの場合は法人・団体価格になります。組織における教育受講(スキルアップ等)の一環としてご受講の場合、お一人でご参加しても法人価格になります。
感染症対策:感染症対策を行いながら、実施します。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
キャンセルポリシー
【お申込みフォーム】 |
【講師】
三ツ木紀英(みつきのりえ/アートエデュケーター・アートプランナー・ARDA代表理事)
英国留学後、フリーランスや NPOの立場で、美術施設だけでなく街や施設の中で展覧会企画・ワークショップのコーディネーションを行う。ニューヨーク近代美術館の元教育部長フィリップ・ヤノウィンより、一年にわたりVisual Thinking Strategies を学ぶ。近年は美術鑑賞のファシリテーター育成し、ファシリテータたちのコミュニティを広げることで、アートを介したコミュニケーションの機会の創出している。2021年東京大学大学院 学際情報学府にて、アート・コミュニティのコミュニケーション研究で修士号取得。
●主な仕事:大和市(2011年〜)・西東京市(2013年〜)「対話による美術鑑賞事業」プロジェクト・エデュケーター、東京都美術館とびらープロジェクト鑑賞実践講座講師(2012年~) 、佐倉市立美術館(2013年〜)と平塚市美術館(2014年〜)のプロジェクト企画協力と講師をつとめる。その他、全国各地の美術館や、教育機関にて講師など。上野学園大学非常勤講師(2017年〜2023年)
●執筆:共著「現代アートの本当の楽しみ方-表現の可能性を見つけにいこう-」(フィルムアート社/2015年)、共著「現代アートの本当の見方-見ることが武器になる-」(フィルムアート社/2014年)、「岡本太郎とアール・ブリュット」展カタログ「今日(こんにち)のワークショップ-自分の中に全体性を取り戻す-」(川崎市立岡本太郎美術館/2013年)等。